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さあ大きな音があちらこちらから出始めました
先ずはドラムです ドラムセットには4本のマイクが用意されています 次にベース そしてギター1 ギター2 ピアノ ラテンパーカッション 締めにリズム系全体での演奏バランスをとります
弦4部には一人ひとりに小型精密マイクが付けられます 1stヴァイオリン 2ndヴァイオリン ヴィオラ チェロと進み 弦4部合わせた演奏でバランスをとります
女性3部コーラス サキスホン5 テインパニー トランペット4 トロンボーン4 で一応終り 当日出場歌手の譜面より 全パートの音が出ている箇所を私が抜粋し 全員で演奏して当日の全体像を音声さんに把握してもらうのです
同じ場所 同じ楽器編成でも 毎回何かが違うのです 音声さんも私と同じ事を感じ乍ら居られたことでしょう 何がと云えないところが 人間界の現象でしょうし 人間界の味のあるところかも知れません
ここで生放送について少々書きますと VTR撮りと違い二度と同じ事は出来ません 一本の番組が放送されるには先ず素材(それぞれの歌手たちのこと)を元に内容を創ります 構成
演出 美術 映像(カメラ) 照明 音声 それぞれが やり直しのきかない生放送がより完璧であるよう挑みます 勿論私たちオーケストラもです それぞれの部門が素晴らしい軍団となり一つに融合して完成させる総合芸術なのです
軍団と書きましたが これは私の表現なのですが 生放送は戦場さながらの様相なのです 演出と言う軍団 美術と言う軍団 オーケストラと言う軍団等々がそれぞれに最大限の力を出し切り 「今の時間」を生かす事にのみ集中するのが生放送なのです
私のテレビ生放送の体験は 『TBS歌のベストテン』 『歌のグランプリ』 『歌えファンファーレ』 『デラックス・リラックス』 『トップスターショウ 』そして『ザ・ベストテン』と ゴールデンタイムを歩かせて頂きましたが それぞれただ只懸命に オーケストラと言う軍団と共に 「今の時間 」に生きてきました
音楽は時間芸術とも言います 人生もたった一度のみです 一度だけの人生 過ぎ行く時間を 「二度とない今」として燃焼する充実感に浸って生きて来れたことは幸せだったのかもしれません
話を戻し 次は音合わせ
音合わせとは 当日出場の歌手の曲を演奏し 演出 音響 カメラ等などの軍団が 今日の音を確認するのです ベストテンの初期はこの音合わせの段階から歌手本人がスタジオ入りして音合わせをしたものでした
そしていよいよカメラリハーサルです (次回に続く)
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